「ブラジル」というと何を連想しますか?
サンバ、カーニバル、サッカー、ビーチ、カイピリーニャ、近年では政治家の汚職事件…?
南米大陸のほぼ大部分を占め、面積はロシア、カナダ、中国、アメリカに次ぐ世界第5位。中南米最大の人口と経済規模を有し、26ある州の一つに日本がすっぽり収まるなど、日本人の感覚からは想像し難いほどスケールの大きい国です。チリとエクアドル以外の全ての南米諸国と国境を接しており、北部のアマゾン熱帯雨林、アマゾン川、世界最大の湿原パンタナール、内陸部の広大な高原セハード、沿岸部の長くて美しい海岸線、南部のブドウ畑や世界最大瀑布の一つイグアスの滝まで多種多様な景色を見せてくれます。
新大陸として様々な国から移民や奴隷を受け入れてきた歴史を持つブラジルは、人種のるつぼでもあります。2010年の国勢調査によると、白人系が47.73%、白人・先住民・アフリカ系の混血43.13%、黒人系7.61%、アジア系1.09%、先住民系0.43%で、白人の割合が半数を下回っています。同年のアメリカ人口の白人の割合が70%を超えることを考えると、ブラジルの人種構成はかなり多様化していると言えます。
人種の多様さと同様、文化もとても豊かなブラジル。先住民、ポルトガル人、アフリカ人、イタリアやドイツなどのヨーロッパ系移民、日系移民、シリアやレバノン移民などによってもたらされた文化が絶妙に融合しブラジル文化をつくりだしています。北部のバイーアはアフロブラジル文化の中心であり、ブラジルの格闘技カポエイラやアフリカ由来の宗教カンドンブレ、サンバ、フォホー、アシェーなどの音楽で知られています。一時期ポルトガル王室の遷都先になったリオ・デ・ジャネイロは緑の丘に白い砂浜が眩しいブラジル最大の観光都市で、リオ出身者カリオカたちは今でもポルトガル風のなまりで話します。イタリアや日本からたくさんの移民を受け入れコーヒー貿易で発展したサンパウロは、イタリアや日本の食文化が市民の生活に浸透してます。ガウショ(カウボーイ)に代表される南部はドイツ系の移民が多く、ヨーロッパの文化・伝統が色濃く残る地域です。
移民の歴史を持つためか、ブラジルの人々は概して人懐っこく外国人に対してもとても寛容です。ブラジルは犯罪や貧富の差、汚職などの問題もたくさんありますが、一方で外国人であっても、当たり前のように道を聞かれたり、エレベーターやスーパーの列で話しかけられたり、目が合えば笑いかけられたり、困っていたら助けてくれるブラジル人のハートの温かさに感動させられます。ぜひブラジルを旅し、この国の大自然、都市、文化、食べ物、人々のエネルギーと多様性を肌で感じてみてください。
– 面積:851.2万平方キロメートル(日本の22.5倍)
– 人口:約2億947万人(2018年,世銀)
– 首都:ブラジリア(Brasília)
– 民族:欧州系(約48%),アフリカ系(約8%),東洋系(約1.1%),混血(約43%),先住民(約0.4%)(ブラジル地理統計院,2010年)
– 言語:ポルトガル語
– 宗教:カトリック約65%,プロテスタント約22%,無宗教8%(ブラジル地理統計院,2010年)
– 国番号:+55
– 救急車:192
– 通貨:レアル(BR$)(※ポルトガル語の発音は「ヘアウ」)
– 為替:1米ドル=約3.85レアル(2019年7月1日現在)(1レアル=約28円)
– 日本から:マイナス12時間
(※サマータイムあり)
– 電圧:地域によって異なる。リオとサン・パウロは110ボルト(V)、サルバドールとマナウスは127V。レシフェやブラジリアなどは220V。周波数はいずれの地域も60ヘルツ(Hz)。
– プラグ:Cタイプが主流。施設によって利用できるタイプが異なる。
– 12 – 2月:夏真っ盛り。カーニバルのシーズン。アマゾンでは雨季。
– 3 – 6月:オフシーズン。観光地はどこも比較的安めで空いている。南部は寒さが到来。北部は晴天日が多い。
– 9 – 11月:ブラジルの春。過ごしやすい気候。
– イグアス国立公園
– リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群
– ブラジルの大西洋上の島々:フェルナンド・デ・ノローニャ諸島とロカス環礁の保護区群
– 首都ブラジリア
– 中央アマゾン保全地域群
– パラチーとイーリャグランジの文化と生物多様性
– グアラニーのイエズス会伝道所群
– パンタナル自然保護地域
– ヴァロンゴ埠頭考古遺跡
– パンプーリャの近代建築群
※参考文献:外務省HP
ブラジルは日本のほぼ正反対に位置し、時差もきっちり12時間です。現在、日本からは直行便はなく、アメリカ、ヨーロッパもしくは中東経由でブラジル(サンパウロもしくはリオ・デ・ジャネイロの国際空港)に入ります。フライト時間は乗り継ぎ時間も込みで、最短24時間、平均29時間前後の長旅になります。
ヨーロッパやアメリカの経由地まではJALやANAの日系航空会社が飛んでいますが、経由地からブラジルへは日系の航空会社は運航していません。ヨーロッパ経由は、経由地でのビザの手続きや手荷物のピックアップがいらない分比較的スピーディーで人気がありますが、最近では深夜発の中東経由も機体や設備の新しさから人気が出ています。