ミナス・ジェライス州はサンパウロ州とリオ・デ・ジャネイロ州の北東に隣接する州で、面積は日本の国土の1.5倍、ブラジルでは4番目に大きい州です。州人口は1,200万人を超え、全国2位、経済規模も全国3位を誇ります。ミナス・ジェライスはポルトガル語で「あらゆる鉱山」を意味し、その名の通り、様々な鉱物や宝石が埋蔵された地下資源の豊かな州です。1693年に金が発見されてから、18世紀にゴールドラッシュを迎え、多くの街が建設され栄えました。今までに、金、銀、銅、鉄、ダイヤモンド、アルミニウム、雲母、トパーズ、紅水晶などが採掘されています。
ミナス・ジェライス州で最初にできた町はマリアナといい、金の発見を受けてポルトガル王室によって植民されました。しかし、その後ポルトガルが鉱夫たちに重税を課したため、反乱が起きます。フランス革命に触発され、ミナス・ジェライス出身のジョゼ・ダ・シウバ・シャビエルがリーダーになりポルトガルからの独立を図りますが、シャビエルは捕まり処刑されてしまいます。彼が処刑された4月21日はブラジルの祝日になっており、独立のために戦った国のヒーローとして崇められています。ちなみに、職業が歯科医だったため「チラデンチス(歯を抜く)」という愛称で親しまれており、祝日も同じ名前です。
チラデンチスの死後、反乱が鎮圧され、鉱物の通商が禁止されます。これを機に、ミナス・ジェライス州は経済の中心をコーヒー栽培に切り替え、州の工業化が始まります。20世紀に入り、コーヒーがブラジルの主要生産物となると、ブラジル全生産量の約50%を生産するミナス・ジェライス州は栄え、経済規模は国内で3位に入る豊かな州になりました。
ミナス・ジェライス州は、歴史と自然、食が豊かな観光資源も豊富な州です。主な見どころは、ゴールドラッシュ時に栄えコロニアル時代の面影が色濃くのこるオーロプレット(旧州都)やチラデンチス、自然ではカパラオー国立公園、50の洞窟を巡るルートCircuito das Grutas、エコツーリズムで知られるカピトーリオ、文化では野外美術館イニョチン現代美術館、ブラジルの居酒屋ボテコのメッカ、バーやレストランなど賑やかなナイトライフで知られる州都ベロオリゾンチなどがあります。
ミナス・ジェライス州は、ブラジルではおいしいご飯の代名詞でもあります。訪れた際はぜひ、コミーダ・ミネイラ(ミナス州の郷土料理)をご賞味ください。代表的な料理は、ミナス・ジェライスからリオまで金を運んだ人夫が力をつけるために食べたという豆料理「フェイジョン・トロペイロ」、鶏肉とオクラの煮込み「フランゴ・コン・キアボ」、ブラジル一おいしいと言われるチーズパン「ポン・デ・ケージョ」、地元の蒸留酒カシャッサなどがあります。
ミナス・ジェライス州への玄関口は、州都ベロオリゾンチから北へ約40kmにあるベロオリゾンチ国際空港です。日本から国際線を利用する場合、サンパウロかリオ・デ・ジャネイロから国内線に乗り継ぐようになります。
ブラジル国内からの便は、主にベロオリゾンチ国際空港、もしくは市内中止部から北へ10kmにあるパンプーリャ空港に到着します。サンパウロからのフライト時間は約1時間半です。
ベロオリゾンチ、オーロプレット、チラデンチスなどの観光地へはブラジル国内の主要都市から長距離バスが出ています。サンパウロからバスで行く場合、直行便で約8時間かかります。