自然とアウトドアが好きな人は必ず訪れるべきブラジル中央西部。地理的にはブラジルのへそ部分にあたり、マットグロッソ、マットグランデ・ド・スル、ゴイアス、ブラジリア連邦直轄区の4州で構成されています。ここには、地球上で最も豊かな生態系が集中している湿原パンタナールがあり、鳥類、ジャガー、ワニ、アナコンダ、カピバラなど様々な動植物と出会うことができます。
パンタナールはポルトガル語で「湿地」を意味します。南米大陸のほぼ中央部に位置し、その大部分がマットグロッソ州とマットグロッソ・ド・スル州に、一部がボリビアとパラグアイにまたがる世界最大級の熱帯湿原です。総面積は約19万㎢。ベルギー、オランダ、スイス、ポルトガルを合わせた広さです。一部が国立公園になっており、その生態系の多様さからユネスコ世界遺産に登録されています。
パンタナールでは、乾季と雨季がはっきりしており、雨季には面積の80%が水に沈みます。乾季が始まると、川や池の水が引き始めあちこちに水たまりがたくさんできます。水たまりの中に閉じ込められた魚たちを食べようと、シロサギ、コウノトリ、ヘラサギなどの鳥の群れが集まってきます。鳥類だけでなくパンタナールを代表する捕食動物、ジャガー、ワニ、巨大アリクイ、ピラニア、世界最大級の蛇アナコンダや、アホエザル、オマキザルなどのサル類も見ることができます。
パンタナールの観光方法は様々で、ボート、マウンテンバイク、乗馬などがあり、北はクイアバ(マットグロッソ州)、南はカンポ・グランデ(マットグロッソ・ド・スル州)を拠点にツアーに参加することができます。
中央西部の目玉観光スポットはパンタナールですが、ほかにもシャパーダ(Chapada)と呼ばれる高度1,000m前後の高原、セラード(Cerrado)と呼ばれる森林サバンナに加え、たくさんの滝、洞窟などがあります。
中でもボニート(マットグロッソ・ド・スル州)は、世界で一二を争う清流地としてしられており、透き通る川でのシュノーケリングや洞窟探検が楽しめます。
ブラジルの首都であり、ブラジル人建築家ルシオ・コスタやオスカー・ニーマイヤーによって設計された計画都市ブラジリアもここ中央西部にあります。
また、マットグロッソ・ド・スル州は、沖縄県からの移民が多いことでも知られており、州都カンポ・グランデでは、2016年に沖縄そばが市の無形文化財に登録されるなど、沖縄文化や食文化が地域に根付いています。
パンタナールへの玄関口は、北側クイアバ(マットグロッソ州)にあるクイアバ国際空港と南側カンポ・グランデ(マットグロッソ・ド・スル州)にあるカンポ・グランデ国際空港です。首都ブラジリアへは、中心部から南へ12kmにあるブラジリア国際空港からアクセスできます。