ペルー チャチャポヤス|もう1つの天空都市

ペルー観光と言えば、マチュピチュ、チチカカ湖、アレキッパ峡谷などが思い浮かびますよね。

今回は訪れる人の70%がペルー人観光客という超ローカルな観光地「チャチャポヤス」へ行って参りました。

首都リマから国内線を乗り継ぎジャングルの町タラポートへ。そこからさらにバスを乗り継ぎ山道を北西に9時間行くと、コロニアル時代の建物が並ぶ街チャチャポヤスに到着します。

チャチャポヤス地方一帯にはインカ帝国以前に8つほどの民族が住んでいたそうで、チャチャポヤスという名前もそのうちの1つの民族の名前です。ペルーでは学校の歴史の授業で習うそうで、国内では良く知られる観光地だそうです。
チャチャポヤスの街を拠点に、第2のマチュピチュと呼ばれるクエラップなどの遺跡や周辺の豊かな自然を訪れることができます。地元ガイドによると1週間滞在しても見つくせないほどの見所があるそうですが、私は3泊して3つのツアーに参加してきました。


DAY1 ゴクタの滝|Catarata de Gocta

2002年にドイツ人の探検家によって発見されたばかりのゴクタの滝。2段に分かれた落差771mの滝で、ベネズエラのエンジェルフォール(979m)と南アフリカのツゲラフォールズ(948m)に次ぐ世界で3番目に長い滝です。滝への道は、ベースとなるコカチンバ村(Cocachimba)から出発します。上り下りする山道を2時間ほど歩き滝つぼへ到着します。滝の全景はスタート地点のコカチンバ村からも見えますが、歩いていくうちに見え隠れしながら次第に大きくなり、滝つぼからはカメラに全体が収まらないくらいの大きさでした。往復4時間アップダウンのある道を行くのでとても疲れますが、かなりの達成感があるツアーです。体力に自信がない方は、途中まで馬に揺られながら行くというオプションもあります。


DAY2 第2の天空都市クエラップ|Kueláp

標高3,000mの山の頂上にあるクエラップ遺跡へはヌエヴォティンゴ(Nuevo Tingo)という村からゴンドラで向かいます。ゴンドラが2017年に開通してからは1,000mを一気に上ることができ遺跡へのアクセスがとても楽になりました。クエラップはインカ帝国に侵略される前にこの地方に住んでいた民族が建てた天空都市です。特徴的なのは家の形で、マチュピチュに代表されるインカの家が長方形なのに対し、チャチャポヤス人の家は円形でした。外敵の侵入を防ぐため、クエラップの城壁の入り口は人が1人通れるだけの幅に作られていました。しかし、町は水源を外に頼っていたため、インカ軍に水を断たれた町はインカの支配下に入ります。その後スペイン人の侵略を受け、インカ人もろとも支配され、町は焼き払われてしまいます。現在は、城壁と家の石造りの壁が残っていて、標高3,000mという高さに暮らしていた人々の生活に思いを馳せることができます。


DAY3 カラヒアのミイラの木棺とキョクタの鍾乳洞|Sarcófagos de Karajia & Caverna de Quiocta

カラヒアのミイラとキョクタの鍾乳洞は1日で行けるツアーで、午前中はミイラの木棺を、午後は鍾乳洞を見学します。カラヒアの木棺は天空都市クエラップを建設したチャチャポヤス人とは別のルヤという民族が残したものです。輪廻転生を信じ亡くなった戦士を弔うため、日の出の方角を向いた崖に木棺を立てたそうです。もともとは崖一面に200体あった木棺が、今ではたった6体しか残っていません。木棺の中には遺体がしゃがんだ状態で収め られており、上には中に眠っている戦士が勝ち取った敵の頭蓋骨が飾られています。しかし、近年の地震で頭蓋骨が落下し、私が行ったときはたった1個しか残っていませんでした。木棺には崖の下の道を歩いて近づくのですが、高いところに立っているためそこまでのアクセスはなく、下から眺めるようになります。地元ガイドによると、公的援助がなく保全活動がなされていないため最後の頭蓋骨もいつ落ちるかわからない状態だそうです。

キョクタの鍾乳洞はカラヒアの木棺から車で1時間ほどの距離にあります。農道を15分ほど歩いて鍾乳洞入り口に到着します。洞窟内は、道やライトなどが整備されていないので、配られる長靴を履きと懐中電灯を持ってガイドに導かれるまま暗闇の中を進みます。1時間ほどのツアーなのですが、真っ暗闇の水が流れる泥の道を進むのでまるで探険家になったようにスリル満点です。途中で、中で発見された人間の骸骨や長い年月をかけてできた鍾乳石の柱を見ることができます。一番奥に着いたときに皆で一斉にライトを消して目の前で手を振ってもわからないほどの真っ暗闇を楽しみました。高さもあるとても大きな鍾乳洞で人間の手が加えられていないという点で一度訪れてみる価値があると思います。


ペルー、チャチャポヤスを訪れてみて

今回訪れたチャチャポヤスはマチュピチュやチチカカ湖のように国際的に知名度がある観光地ではなかったため、観光庁の力の入れ方も弱いのか観光資源の整備が進んでいませんでした。整備されていないということは、今にも崖崩れが起きそうな崖の下を歩くなどリスクもあれば、照明などが設置されていない手付かずの鍾乳洞に入れるなどとても貴重な体験ができるという良い面もあることに気づきました。

Leave a Reply

Proceed Booking