ペトロポリスはリオ・デ・ジャネイロから北へ約70キロ。車で1時間ほどの距離に位置しています。ポルトガルの首都がリオ・デ・ジャネイロに置かれていた19世紀前半頃、ポルトガル王の継承者であり、後にブラジル帝国初代皇帝となったドン・ペドロ1世がこの土地に立ち寄り、標高800メートルの涼しい気候を気に入ったという事です。ポルトガルへ戻らなくてはならなかったドン・ペドロ1世に代わって、息子であるドン・ペドロ2世が指揮を執りブラジル王室の避暑地として街を建設。ブラジルが民主制に移行するまで、王族の避暑地として、また多くの国の外交団も、当時、リオ・デ・ジャネイロで流行していた黄熱病を避けるため、ペトロポリスに拠点を置くなど、外交都市としても発展しました。
キタンジーニャ宮殿。ブラジルでカジノが合法であった数年の間に建築されたカジノ&ホテル。中は綺麗に保存されており、1階の大部分が見学可能です。当時の繁栄振りを伺える写真が飾られた展示室もあります。現在はタイムシェア物件としてお年寄りが多く住んでいるそうです。
庭では市民が思い思いの週末を過ごしていました。当時はここで乗馬やパーティーを行っていた写真もありました。
ダンスホールや大きな鳥籠、巨大なキッチン、もちろんカジノルームも見る事ができます。豪華爛漫な内装ですが、カジノとしての役割は2,3年しか果たせなかったという事です。
使われていない屋内プールはなんだか不気味でした。
皇帝博物館。ドン・ペドロ2世の別荘として使われていました。博物館内は写真撮影不可。ドン・ペドロ1世と2世が使用していた装飾や王冠。各国からの調度品、家族の歴史や写真が飾られています。
ペトロポリス大聖堂(サン・ペドロ・デ・アルカンタラ大聖堂)。大聖堂内にはブラジル皇室の霊廟があり、ドン・ペドロ2世と奥様が眠っています。ペドロ2世はフランスで亡くなりましたが、ブラジル皇室の入国禁止法が廃止されたあと、最終的にブラジルに戻り、ペトロポリスに埋葬されました。
ガラスの家。イタリアから運ばれたクリスタルで出来ていたそうですが、現在クリスタルはなくなり、骨組みだけがオリジナルということです。以前は展示会や催事場に使われていましたが、2020年5月現在改装工事中でした。
ボヘミアビール工場。ビールや工場の歴史が展示されており、見て飲んで楽しめるビール工場です。現在工場はサンパウロに移り、こちらは稼働していませんが、レストランやお土産店も隣接する人気観光地です。
入場券を購入後、ロゴ入りビールコップを受け取り1杯目のビールを試飲。
全部で3杯のボヘミアビールを味比べ頂けます。
説明パネルには、ポルトガル語と英語とスペイン語が併記されていました。さすがリオです。
かつて使われていた製造工場
最後はサントス・ドゥモンさんの家です。リオ・デ・ジャネイロ国内線空港の名前にもなっている通り、航空力学の専門家であり、ヨーロッパで初めて飛行機制作に成功した方です。特許を取得せず設計図を公開したり、数々の賞金は慈善活動に寄付したり、誰もが認める平和主義者でした。そんなサントス・ドゥモンさんの家はとても質素。ベッドは木の板にマットレスを敷いて寝ていたそうです。
ヨーロッパ初飛行の飛行機。「14-bis」とドゥモンさん
キタンジーニャ宮殿以外はペトロポリス中心にあり、歩いて回る事ができます。現在もペトロポリスの中心には貴族が別荘として建てた歴史的な大邸宅が続き、王室の末裔も住んでいるとか。そんな豪邸を横目に歩いていると、馬車が通り過ぎていきました。
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駐在を終えブラジルからは離れましたが、滞在中の旅行記を細々と更新中/